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北海道新聞に掲載されました

  • 執筆者の写真: gogotomoko
    gogotomoko
  • 2025年3月1日
  • 読了時間: 3分


直球ロック体で聞いて

~札幌出身ギタリストTOMOKOさん~


ライブに振動ギターや字幕


聴覚障害者も楽しめる「ユニバーサルライブ」に取り組む道産子ロックギタリストがいる。札幌出身のTOMOKOさん=東京都在住=。「ド直球の胸に刺さるメロディーを全ての人に伝えたい」。そんな思いから、ステージにさまざまな仕掛けを施す。音楽の境界線をなくすため、全国を駆け巡る。


 2月中旬、札幌市内のライブバー。TOMOKOさんがギターをかき鳴らすと、客席の聴覚障害者が抱えたカラフルなギター形の風船が小刻みに震えた。曲のリズムに合わせて前後左右に体を揺らす観客も。演奏に熱がこもる。TOMOKOさんは「聞こえなくても、心の中で熱いサウンドが響いている」と語る。


 市立札幌新川高1年の時、ギターを始めた。偶然見た胆振管内洞爺湖町での米ロックバンド「ベンチャーズ」の公演で、リードギタリストのノーキー・エドワーズさんの演奏に衝撃を受けた。「心臓をわしづかみにされた」。札幌市内の音響会社などで15年働いた後、プロのギタリストを志し、2009年からススキノのライブバー「チャックベリー」で腕を磨いた。ベンチャーズを中心にオリジナル曲も演奏し、歌う。


 動画サイト「ユーチューブ」に投稿したヒット曲「パイプライン」の演奏動画がベンチャーズファンの間で話題となり、12年にはエドワーズさんらによる全国30カ所の東日本大震災復興支援チャリティーツアーで前座を務めた。その最中、エドワーズさんは心不全で倒れ入院。残りの公演で代役を務め上げた。


 プロのギタリストとしてキャリアを積む中、18年秋のライブが転機となった。最前列の聴覚障害のある観客が爆音の中で居眠りをしていたからだ。「何かは分かってもらえていると思っていたが、なにも伝わっていないとは」とショックを受けた。


 音響技術者の経験を生かし、友人らとともに振動スピーカーを内蔵した風船を無線でギターとつないだ「風船ギター」を開発。特許も取得した。19年6月、聴覚障害者を招いたライブでお披露目すると「振動で心が躍る」「(想像力で)音が聞こえた気がする」と好評だった。


 仕掛けは風船ギターだけではない。舞台に掲げるスクリーンには歌詞やMCの内容をリアルタイムで映す。ギターのサウンドに合わせ「ジャカジャーン!」の文字も流す。自ら手話を交えて歌うこともある。新型コロナウイルス禍でユーチューブ配信を始め、全国の聴覚障害者に音楽を届ける。


 「TOMOKOは障害者ビジネスに傾いたのか」と言われることがある。それでも「ただただ音楽に境目をなくしたいだけ。聴覚障害の人も1回目を招待しても、2回目からは健聴者と同じ料金をもらう」と笑い飛ばす。聾学校での出前公演にも取り組む。


 「音楽には誰かのピンチを救う力がある」。16年4月の熊本地震や24年1月の能登半島地震の際には被災地に駆け付け、チャリティーライブを単独開催した。ユニバーサルライブはライフワーク。「このまま細く長く続けたい」。音楽の無限の可能性を信じている。 (竹中達哉)


北海道新聞 2025年3月16日 朝刊

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